地震保険支給率と耐震設計グレードの関係
耐震設計のグレードは、大地震時の予想損傷程により各国で設定されていますが、日本でも従来の公共建築物の重要度による保有耐力余裕率(x1.25,x1.5)以外に大地震時の予想層間変形角からグレード毎(特急、上級、基準級)の被害状況を設定する指針がJSCA性能設計耐震性能編(日本建築技術者協会)から2017年発行されており、下記資料のように具体的な地震時の損傷グレードを定義しています。大破が地震保険の全損、中破が地震保険の大半損、小破が地震保険の小破損、軽微な被害が地震保険の一部損に概ね該当すると考えられます。
下記の地震被害説明資料は日本建築構造技術者協会発行のJSCA性能設計【耐震性能編】公開パンフレットから引用しています

耐震設計のグレードは特級、上級、基準級にわけられ、基準級では、建築基準法の新耐震基準で設計された建物は基準級以上の耐力があり、震度5弱の中地震(日本海側の地域で再現期間500年、30年超過確率6%)では短期許容応力度以内で地震後に主構造に残留変形が残らない状態であり、震度6強の大地震(大阪から名古屋、関東の太平洋ベルト地帯で再現現期間500年、30年超過確率6%)では倒壊の可能性は小さいですが大破して大規模な修復が必要となるグレードです。特級では大地震時も軽微な被害程度で工場生産など事業継続可能なグレードです。特級や上級の設計方法は下記のリンク投稿の2.中低層建築の大地震後事業継続保証簡易設計法の運用方法を参照ください。
https://yasuinami.net/wp-admin/post.php?post=86&action=edit

なお、地震保険の支払い率は下記のように法務省管轄の保険法により細かく規定されています。
全損;主要構造部損害額時価の50%以上で保険金100%支払い、大半損;損害額時価の40%~50%で保険金60%支払い、小半損;損害額時価の20%~40%で保険金30%支払い、一部損;損害額時価の3%~20%で保険金5%支払いとなっています。nao,
なお、再現期間と超過確率は下記のJ-SHIS Mapが各震度以上の超過確率を色別で表示してくれます。たとえば震度6強の大地震の30年の超過確率は大阪・名古屋・関東一帯では最大値の26%以上となっていますし、その他の地域では概ね3%以下の低い確率になっています。


