機器増設時の簡単な工場建屋の地震時安全性確認方法
化学工場などでは10年程度ごとに、で生産設備の更新や増設が行われますが、建屋全体の安全性の確認を構造計算をすべて再計算するのは、費用も時間もかかり、結果の判定もわかりにくい場合が多いので、ここでは簡単な計算方法と結果の評価方法について説明します。
地震時層剪断力 Qud=Wi x Z x Rt x Ai xCo
Wiは各階の層重量なので、建設時の層重量に機器増設分の重量を加えます。
なお、Z、Rt,Ai、Coは建設時の係数をそのまま使いますが参考に下記に内容記載します
Z=0.9 地域係数 Rt 地盤および建屋固有周囲に係わる係数 Ai 各階の振動特性による補正値 Co=1.0 標準剪断力係数です
必要保有水平耐力 Qu=Qud xDs x Fes
Fes,Dsは建設時の計算書の数値をそのまま使いQuを算出しますが下記に係数の内容記載します
Fes 各階の剛性率偏心率に関わる係数、 Ds 靱性に係わる係数
保有水平耐力Qunは確認申請時の構造一環計算の増分解析で算出されているので、劣化や主構造の改造なければそのまま使います。
判定式Qun/Qu>1以上で倒壊
計算は下記のようにエクセルに各係数と計算式を入力すれば追加機器荷重を加えれば判定式まで自動計算してくれます

なお、保有水平耐力Qunは建設時の構造計算書の耐力をそのまま使用できます。なお、床の大きな開口改造やさび腐食があれば1割から2割程度耐力を低減しておきます。通常Qun/Quは1.5以上の場合が多いので耐力低減をしても規定の1.0以上になる場合が多いので、増設経年劣化後に建屋の耐力の余裕値が、どれくらい残っているかの指標となります。
また、判定はQun/Qu>1以上で大地震時(震度6強)での倒壊の可能性が小さいと判定され、1.5以上あれば倒壊の可能性かなり小さくなりますが、大地震時の変形量は規定されていないので、建屋本体および生産設備のある程度の損傷が予想されます。大地震時の変位を抑制して事業継続を図るには中地震(震度5程度)の一次設計での変位(層間変形角)が1/300以下まで抑制されいれば大地震時の変位も1/100程度まで抑制されることが期待でき、軽微な損傷で比較的簡単な修理で生産が再開できる可能性がありますので、一次設計の層間変形量を確認し判定します。

